プロジェクターを調べているとXGIMIという名前をよく見かけますが、検索候補に「怪しい」と出てきて手が止まった方は多いと思います。
結論から言うと、会社の実体が分からない無名ブランドではありません。
中国・成都の企業で、証券取引所に上場しています。
ただし「怪しい」と言われる背景には、過去の明るさ表示をめぐる出来事という具体的な事実があります。
この記事では、会社の素性、そう言われる理由、品質と保証の実際を順に確認していきます。
記事のポイント
- 中国・成都の会社で、上海の証券取引所に上場している
- 2023年に明るさの表示を訂正した経緯があり、これが不信の元になっている
- 専門メディアの画質評価は高いが、機種ごとに弱点もはっきりしている
- 保証は機種で1年と2年に分かれ、修理できる期間には終わりがある
どこの国の会社か
まず、正体がはっきりしない会社かどうかを確認します。
ここは公開されている情報で確かめられます。
中国・成都の上場企業
運営しているのは極米科技股份有限公司、英語表記でXGIMI Tech Co., Ltd.です。
本社は中国の四川省成都市にあります。
2013年11月の創業で、2021年には上海証券取引所の科創板へ上場しました。
上場企業なので、財務や株主、子会社の構成が毎年公開されています。
2025年の売上高は約34.67億元、研究開発に売上の11.55%を充てたと報告されています。
Baiduの子会社ではない
上場前にはBaiduが大口の出資者でしたが、上場後は持ち分を減らしています。
2025年末の時点で筆頭株主は創業者の個人で、持ち株は18.79%です。
「Baidu傘下」という説明を見かけることがありますが、現在の資本構成とは違います。
親会社を持たない独立した上場企業という形です。
日本にも法人があり、製造は中国の四川省とベトナムの工場で行われています。
「怪しい」と言われる理由
会社が実在していても、不信の声には理由があります。
ここがこの記事のいちばん重要な部分です。
明るさの表示を訂正した過去がある
2023年9月、XGIMIはエプソンとの間で、プロジェクターの明るさ表示をめぐる件について和解しました。
その結果、いくつかの機種の公称値が下方修正されています。
| 機種 | 訂正前 | 訂正後 |
|---|---|---|
| HORIZON・HORIZON Pro | 2,200ルーメン | 1,500 ISOルーメン |
| Halo | 800ルーメン | 600ルーメン |
これは世代交代による仕様変更ではなく、和解の条件として表示を直したものです。
検索で「怪しい」という言葉が出てくる背景として、いちばん確かな材料がこれです。
明るさの単位そのものの読み方は、ルーメンの目安をまとめた記事で説明しています。
アメリカでは訴訟も起きている
この件のあと、アメリカでは消費者が明るさの表示について争う訴訟を起こしています。
原告側は、当時の広告値より20〜25%低かったと主張しています。
ただしこれは訴えた側の主張であり、裁判所が製品の欠陥を認めたという意味ではありません。
いまの表示はどうなっているか
現在はISOルーメンという規格に沿った表記が使われています。
第三者が測定した結果でも、公称値に近い、あるいはモードによっては上回る機種が確認されています。
ただし最も明るいモードでは、色が緑に寄ったりファンの音が大きくなったりする傾向も測定されています。
「最大で何ルーメン出るか」と「その明るさで普段使えるか」は分けて考えてください。
品質は実際どうか
ブランドの評判ではなく、測定された内容を見ていきます。
良い点と弱点の両方があります。
専門メディアの評価
海外の測定サイトや専門誌では、明るさ、画面全体の均一性、初期状態の色の正確さが評価されています。
一方で、次のような弱点も繰り返し指摘されています。
- 暗い部屋で黒が沈みきらない
- DLP方式特有の色のちらつきが見えることがある
- HDRの明るい部分が飛びやすい
- 小型機は内蔵スピーカーが弱い
安価な無名製品と同列に語られる画質ではありませんが、死角のない機種でもありません。
評価が高い機種でも、暗い部屋での黒の沈み方は専用のホームシアター機に届かない傾向があります。
明るさと引き換えに割り切っている設計だと考えると分かりやすくなります。
故障率は公開されていない
「壊れやすいのか」という疑問に、数字で答えられる公開データはありません。
販売台数に対する修理の割合や、平均的な使用年数といった統計は公表されていないためです。
口コミサイトの故障報告だけで故障率は測れません。
満足している人は書き込まないため、母数が分からないからです。
個別の報告としては、光学部分の故障、自動補正のかかりすぎ、更新がうまく進まないといった内容が見られます。

日本での保証は機種で違う
購入後の条件は、ここがいちばん実務的です。
機種によって期間が変わります。
1年と2年に分かれる
日本の公式規約では、次のように分かれています。
| 保証期間 | 主な対象機種 |
|---|---|
| 2年 | HORIZON 20・20 Pro・20 Max、AURA |
| 1年 | HORIZON Ultra、HORIZON Sシリーズ、MoGoシリーズ、Halo・Halo+、Elfinシリーズなど |
保証が適用された場合の対応は、修理または再生品との交換です。
必ず新品と交換されるという規約ではありません。
修理品や交換品の保証は、元の残り期間か、修理から90日のどちらか長いほうになります。
申請には12桁のシリアル番号と購入情報が必要です。
正規の販売店で買う必要がある
保証の対象になるのは、公式サイトと公式ストアで購入した製品です。
それ以外の販売店で買った場合は、その販売店の規定に従うことになります。
また保証は購入した国の中で提供されるため、海外から個人輸入した製品は対象外です。
製品ごとの違いは、XGIMIの機種を比較した記事で整理しています。
修理できる期間には終わりがある
長く使うつもりなら、ここを知っておく必要があります。
保証期間とは別の話です。
光源の寿命と修理できる期間は別
プロジェクターの仕様には、光源が2万時間を超えるといった表示があります。
これは光る部分の理論的な寿命で、本体全体が同じ期間動くという意味ではありません。
光源が生きていても、交換部品がなければ修理はできません。
光源の種類による違いは、LEDとレーザーの違いをまとめた記事で説明しています。
すでに終了した機種がある
2025年6月、XGIMIの日本法人は製品ごとにアフターサービスの提供期間を設ける方針を公表しました。
実際に、旧MoGoは2025年10月30日、Haloは2025年12月31日で日本でのアフターサービスが終わっています。
期間内であっても、部品を確保できなくなれば早く終了する可能性があると案内されています。
中古で古い機種を検討する場合は、この点を先に確認してください。
買う前に確認すること
ここまでを踏まえた確認項目です。
国籍で判断するより、こちらのほうが実用的です。
- 国内向けの型番かどうか
- 公式サイトか公式ストアで買うか
- その機種の保証が1年か2年か
- アフターサービスの終了予定が出ていないか
- 使う部屋の明るさに対して光量が足りるか
とくに1と2は保証の適用に直結します。
現行の機種と価格は、XGIMIの公式サイトで確認できます。
調べていて感じたのは、不信の原因が「中国の会社だから」ではなく、過去の表示訂正という具体的な出来事にあるという点でした。
そこを知ったうえで現在の数値を見れば、判断の材料は揃うと思います。
XGIMIに関するよくある質問
日本語のサポートは受けられますか?
日本語の窓口が用意されています。
申請にはシリアル番号と購入情報が必要です。
公式サイト内で連絡先の表記が複数ある場合があるため、サポートページに記載のものを使ってください。
返品はできますか?
公式の販売経路では、受け取りから30日以内の返品制度があります。
元箱と付属品をそろえる必要があります。
送料の負担については規約の記載が分かれているため、申請前に窓口へ確認することをおすすめします。
リコールが出たことはありますか?
今回の調査では、重大な安全上のリコールを示す公的な記録を確認できませんでした。
ただし過去に一件もないと証明できるわけではありません。
気になる場合は、購入前に各国の製品安全に関する公的な案内を確認してください。
海外で買って日本で使えますか?
保証は購入した国の中で提供されるのが原則です。
海外版を持ち込んだ場合、日本での保証や修理を受けられない可能性があります。
電源や技術基準の問題もあるため、国内向けの型番を選ぶほうが安全です。
いま出ている明るさの数値は信用できますか?
現在はISOルーメンという規格に沿った表記が使われています。
第三者の測定でも、公称値に近い結果が出ている機種があります。
ただし最大値は特定のモードでの数値なので、常用する設定での明るさを基準に考えてください。
XGIMIは怪しいのかのまとめ
XGIMIは中国・成都の会社で、上海の証券取引所に上場しています。
実体の分からないブランドではなく、財務や株主の構成も公開されています。
一方で、2023年に明るさの表示を訂正した経緯があり、これが不信の背景になっています。
現在はISOルーメンでの表記に変わり、第三者の測定でも一定の裏づけがあります。
画質は専門メディアから評価される一方、黒の沈み方やHDRなど機種ごとの弱点もあります。
保証は機種によって1年と2年に分かれ、正規の販売経路で買うことが条件です。
修理できる期間には終わりがあるため、長く使うつもりならその点も確認してください。
正確な情報は公式サイトをご確認ください。


